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平成29年・19週~ダニ媒介性感染症;つつが虫病と日本紅斑熱~

今週の注目疾患   平成29年・19週(5月8日~5月14日)

~ダニ媒介性感染症;つつが虫病と日本紅斑熱~

ダニ媒介性感染症であるつつが虫病と日本紅斑熱は、例年千葉県内医療機関からの報告を認め、とくに春から秋にかけてのこの季節は日本紅斑熱の発生に注意が必要である。
一方、つつが虫病は本県では主に秋~冬に発生を認めるが、2017 年第 19 週に 1 例のつつが虫病症例の報告があった。両疾患とも発熱、ダニの刺し口、発疹が主要三徴候であり、その他頭痛や倦怠感といった症状、CRP の上昇や肝酵(AST、ALT)の上昇といった検査所見を同様に認めることが多い。
日本紅斑熱は、潜伏期間がつつが虫病に比べてやや短く、発疹は四肢から体幹に広がり、刺し口は小さいなどの臨床的な差はあるが、確実な鑑別には実験室診断が必須である。
つつが虫病:2013 年以降、2017 年第 19 週までに県内医療機関から 101 例のつつが虫病の報告を認める。届出られた症例の年齢中央値は 65 歳(範囲;7-91 歳)、性別は男性 55 例、女性 46例であった。
保健所別では安房保健所 50 例、夷隅保健所 24 例、市原保健所 6 例、海匝保健所 5例、君津保健所 3 例、印旛保健所 3 例、香取保健所 3 例、山武保健所 2 例、松戸保健所 2 例、千葉市保健所 2 例、船橋市保健所 1 例となっている。推定感染地は 97 例が千葉県であり、県外(国内)が 3 例、県外(国外)が 1 例であった。
日本紅斑熱:千葉県内での発生は房総半島南部の地域で認められ、2013 年以降 25 例の届出がある。患者の年齢中央値は 71 歳(範囲;42-94 歳)、性別は男性 11 例、女性 14 例であった。保健所別では安房保健所 21 例、君津保健所 2 例、夷隅保健所と印旛保健所がそれぞれ 1 例となっている。
推定感染地は全例千葉県であった。年次別では 2013 年 4 例、2014 年 6 例、2015 年 5例、2016 年は 10 例であり、2017 年は現在までに届出はないものの、これまでの患者の発症月(図)から推察すると、天候などの影響をうけると考えるが 4 月から 10 月の間は発生に注意が必要である。感染した地域外の医療機関を患者が受診する可能性もあるため、これまでに本疾患の報告がない地域においても、つつが虫病に加えて本疾患の可能性についても検討する必要があり、
そのため患者行動歴の把握が重要となる。
両疾患とも治療の第一選択薬はテトラサイクリン系の抗菌薬であり、日本紅斑熱においてはニューキノロン系抗菌薬が有効であるとの報告もある(つつが虫病には無効)。両疾患ともβラクタム系抗菌薬は無効である。予防はダニに刺されないことが第一であり、農作業や山野などに入るときは長袖・長ズボンを着用し肌の露出を少なくしダニの付着を防ぐこと、ジエチルトルアミド(DEET)を主成分としたダニ忌避剤の適切な利用、帰宅後はすぐに入浴し新しい着衣に着替え
ることが推奨される。

【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成29年5月17日更新)
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