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平成29年・16週~A群溶血性レンサ球菌咽頭炎~

今週の注目疾患   平成29年・16週(4月17日~4月23日)

~A群溶血性レンサ球菌咽頭炎~
A群溶血性レンサ球菌咽頭炎は、感染症法において5類感染症の小児科定点把握疾患として分類され、A群レンサ球菌による上気道感染症として定義される。原因となる菌種としては大部分がStreptococcus pyogenesによるものと考えられる。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎はいずれの年齢群でも起こり、学童期の小児に多い。ただし、小児科定点把握疾患であるため、成人の発生動向について正確に把握することは困難である。潜伏期は2~5日であり、突然の発熱と全身倦怠感、咽頭痛によって発症する。咽頭壁は浮腫状で扁桃は浸出を伴い、軟口蓋の小点状出血あるいは苺舌がみられることがある。また発赤毒素に免疫のない人は猩紅熱と言われる全身症状を呈することがあるが、近年は比較的まれである。A群溶血性レンサ球菌咽頭炎の発生は、冬季および春から初夏にかけての2つのピークが認められている。
千葉県においては、2017年第16週における県内の報告定点当たりの患者数は3.33(人)であった。保健所別の定点当たりの報告数における上位3保健所は、君津保健所(7.50)、海匝保健所(6.50)、印旛保健所(5.50)であった(図1)。県全体では3週連続の増加、また近2年間の報告と同様に報告数が多く推移しており、注意が必要である(図2)。2013年以降、2017年第16週までに、県内小児科定点医療機関から報告されたA群溶血性レンサ球菌咽頭炎75,475例についてまとめると、年齢群別では5歳が最も多く、次いで6歳、4歳となっており、性別では女児よりも男児の報告がやや多い(表)。成人の報告では女性が多いが、これは患者の付き添いとして母親の症例が同時に診断・探知され報告されているといった可能性も考えられる。
例年、大型連休中に一旦報告の減少を認めるものの、7月中旬~下旬にかけてまで、報告数の多い状態が続く。本疾患は通常、患者との接触を介して伝播するため、ヒトとヒトとの接触の機会が増加するときに起こりやすく、家庭、学校などの集団での感染も多いため、患者発生時には、その周囲に対しての注意も必要である。治療においては、再発や合併症としてのリウマチ熱、急性糸球体腎炎の発生予防のためにも、抗菌剤服用数日で自覚症状が消失したのちも、処方された抗菌剤は最後まで飲み切ることが重要である。抗菌薬としてはペニシリン系薬剤が第1選択薬であるが、アレルギーがある場合にはエリスロマイシンが適応となり、また第1世代のセフェムも使用可能である。いずれの薬剤も少なくとも10日間は確実に投与することが必要である。除菌が思わしくない例では、クリンダマイシン、アモキシシリン/クラブラン酸、あるいは第2世代以降のセフェム剤も使用される。予防としては、患者との濃厚接触をさけることが最も重要であり、うがい、手洗いなどの一般的な予防法も励行することが必要である。

参考・引用:国立感染症研究所.A群溶血性レンサ球菌咽頭炎とは
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【千葉県感染症情報センターより参照】
(平成29年4月27日更新)
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